遺言の基礎知識

遺言書とは

遺言書とは、自分の死後、生涯に築いてきた財産の処分の仕方を書き残すものです。 (遺書と呼ばれているもののことです。)


遺言書が法的な効果を持つには、民法に定められた方法によらなければいけません。 民法では、『自筆証書遺言』『秘密証書遺言』『公正証書遺言』の3種類の遺言の方法を定めています。



遺言でできること

遺言ではどのようなことができるのでしょうか?
遺言書は、最後に書き残すものですからたくさんのことを書きたくなると思います。

例えば、『太郎はお母さんを大事にして一家の大黒柱としてしっかりやりなさい』とか『母さん、庭にある盆栽には週に1回は水をあげてやってほしい』とか『兄弟みんな仲良くしなさい』などなど。
考えると書きたいことは山ほどあると思います。

しかし、これらのことは遺言に書いても残念ながら法的な効果はありません。
(これらを書いたからといって遺言が無効になることはありませんが...)

遺言書に書いて法的効果があるのは、次のような事項です。


【法的効果の生じる事項】



1.財産の分割方法と相続分の指定

例えば、『妻にA土地とB建物を、子にC銀行の預金を相続させる。』や『D銀行の預金5,000万を子に、1,000円を妹に相続させる。』など。


2.遺言執行者の指定

遺言執行者とは、相続開始から財産分割終了時までの間、相続人の代理人として、遺言書の趣旨に沿って相続財産を管理し、財産の名義変更などの手続きを行うものをいい、これを、遺言書で指定しておくことができます。


3.推定相続人の廃除と排除の取り消し

『被相続人に虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき』や『その他の著しい非行があったとき』はその相続人を遺言書で廃除することができます。(代襲はします)
また、相続開始前に、裁判所の許可を得て、推定相続人を廃除できますが、この排除を遺言書で取り消すこともできます。


4.5年以内の遺産分割の禁止

5.子の認知

隠し子がいる場合など、遺言書により認知をすることができます。
認知することにより、その子は法定相続人となりますが、非嫡出子として通常の子の法定相続分の2分の1になります。


6.未成年後見人と監督人の指定

親権者がいない場合などには、未成年者保護のため、未成年者の監護や教育・財産の管理などを行う未成年後見人が選任されますが、遺言書でこの未成年後見人を指定しておくことができます。

未成年後見人の権限は多岐にわたるため、他に監視者を設けることができます。 この未青年監督者も遺言書で指定しておくことができます。


祭祀財産の承継

祭祀財産とは、お墓やお仏壇など先祖を祭るための財産です。
この祭祀財産を分割してしまうと、祖先の祭祀をするときに不都合がおこってしまうので、遺言書で相続人の1人に承継させることができます、


遺言と遺留分

『遺留分』とは、特定の相続人に対して最低限度に保証されている一定割合の相続分のことをいいます。

遺留分は、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められているもので、兄弟姉妹には認められていません。
これは、遺留分の制度の趣旨が『相続人の生活保障』にあるからであり、一般的に、被相続人人と兄弟姉妹は生活を別にしているので、生活の保障が不要であるということです。

民法では、『遺言は遺留分を侵害することができない。』旨が定められています。
しかし、遺留分に反する遺言がただちに無効になるかというと、そういうわけではありません。
  遺言の相続が法定相続に比べて特定の相続人に偏っていて、遺留分が侵害されているときに、法定相続人は 家庭裁判所に『遺留分減殺請求』をして、取り戻すことができます。

ですので、この遺留分減殺請求がなされない限りでは有効なのです。
遺留分請求権には期限があり、『相続の開始又は贈与・遺贈があったことを知った日から1年』で時効になります。



【遺留分の割合】

配偶者・子 法定相続分2分の1
父母のみが相続人の場合 法定相続分3分の1

兄弟姉妹に遺留分はありません。

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